日々映画とドラマな週末

映画とドラマづけな日々の備忘録

映画「わたしは、ダニエル•ブレイク」感想ネタバレあり老害と言ってる私が害でした

私は、ダニエル・ブレイク

 

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出典 ダニエル・ブレイク 公式ページ

以前からAmazon Videoのアカウントのおすすめ」に

出ていた「わたしは、ダニエル・ブレイク

表紙は静かで地味めで感動系。
 

 

ケン・ローチといえば「社会的弱者」に視点を当てた作品

多く手がけている反権力者。

 

今回の作品も「失業」した社会的弱者の主人公が追い詰められていくお話です。

 

レビューは高評価 星4.5
レビュー数は現時点で291と結構多め。

個人的に「星4個以上に外れはなし」と思っているので期待大デス。

 

経済システムに怒りを感じている熱い高評価のレビューが多かったです。

レビューの中には、非正規雇用の闇

パソナの竹中平造への怒り」について書いている人もいましたよ。笑

格差社会へNoを突き付けたい!そんな気持ちの時に見ると良さそうです。

 

作品情報

イギリス北東部ニューカッスルが舞台。
イギリスの社会保障の制度と貧相層のリアルな現実が描かれた作品。

システム化された非人間的な社会保障制度からはじかれたしまった人達が

延びていく方法は?

それは、助け合いという優しさなのかも。

 

 

あらすじ

ダニエルが教えてくれたこと、

隣の誰かを助けるだけで人生は変えられる

 

イギリスに生まれて59年、ダニエル・ブレイクは実直に生きてきた。大工の仕事に誇りを持ち、最愛の妻を亡くして一人になってからも、規則正しく暮らしていた。ところが突然、心臓の病におそわれたダニエルは、仕事がしたくても仕事をすることができない。国の援助を受けようとするが、理不尽で複雑に入り組んだ制度が立ちはだかり援助を受けることが出来ず、経済的・精神的に追いつめられていく。そんな中、偶然出会ったシングルマザーのケイティとその子供達を助けたことから、交流が生まれ、お互いに助け合う中で、ダニエルもケイティ家族も希望を取り戻していくのだった

 

 (ダニエル•ブレイク 公式ページより引用)

 


「わたしは、ダニエル・ブレイク」予告編

 

監督

本作品を手がけるのはケン・ローチイングランドの監督です。

手がけが作品は世界三大映画祭で高い評価を受けている社会派の監督さん。

労働者や社会的弱者をリアルに描写することで有名です。

 

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出典 ダニエル・ブレイク 公式ページ

 

また、ケンローチは本作品で引退宣言しましたが

宣言を撤回し、映画「家族を想うとき」(2019年)で復活しました。

「家族を想うとき」はフランチャイズの配送ドライバーがストレスと

罰金の負債で無理労働が原因で無くなったことから作られたことが

基となった作品です。

 

キャスト

 

主人公(ダニエル・ブレイク)を演じるのは(デイブ・ジョーンズ

 

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出典 ダニエル・ブレイク 公式ページ

イギリス出身のコメディアン。

リアルにこだわるケンローチ によって

実のお父さんが大工ということで、オーディション見事合格。

初の映画出演となりました。

本作品で英国インディペンデント映画賞の主演男優賞を受賞。

 

 

シングルマザー(ケイティ)役は(ヘイリー・スクワイアーズ

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出典 ダニエル・ブレイク 公式ページ


ロンドン南部出身の女優さん。

演技の学士を取得後、役者として活動を初め、テレビドラマに出演する

かたわら、脚本も執筆している。

本作品で、英国インディペンデント映画賞の有望新人賞を受賞。

 

(以上、公式H Pより)

 

 

 

 

ここからが観賞後の感想・ネタバレ含みます!

 

感想

まず、第一声としては「私はこういう映画が好きです。」

どういう映画かというと、エンタメ的な「ワー」とか「キャー」とか

大きく盛り上がりがある映画ではないですが

(まあ、パッケージ見ればわかりますが)
どちらかというと終始静かだけど、目が離せない。

 

1時間26分から涙、涙、涙。

ラストにかけては「号泣」しました。

そして、私の「価値観」をほんの1mm動かしてくれた映画です。

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出典 ダニエル・ブレイク 公式ページ

老害って言ってしまってごめんなさい!

最近「老害」ってワードをよく聞きますよね。

特に若い人。

私の中学生の娘もよく口にします。 

中年のおばさん(私も)「老害ってやだな」と思うし

まして、自分が「老害」になっていないだろうかとも思っています。

主人公のダニエルは典型的なステレオタイプ

隣の人のゴミまでチェックして「おせっかい」だったり。

職業は大工ひと筋だからパソコンも使えなくて

人によっては「老害」として意識してしまいそうなキャラです。

実際に本作でも

役所の周りくどいシステムにうまく立ち回れず

役所の人に突っ掛かっては「老害」扱いを受けてしまいます。

結果、

給付金の手続きも進まず、どんどん貧乏になってしまうのです。

ここで、正直に言います。

私、今までは新しい仕組みを学ぼうとしない人脱落する人

「受け入れない」気持ちがありました。

社会的に弱者と言われる人の映画を見ると

「判断力に欠けているのでは?」とか

「もっとうまくやれよ」など、少し白けていました。

ダニエルは、システムを回す側(国や役所)の立場からすると

老害」ととられる行動をしています。

でも、本作品で描かれているダニエルは

絶対的に行動は正しくそして、美しいんです。

人生を愛し、常に他人も愛し、自分に誇りを持ち、

人は助けるけど、自分は人に助け伝えられない頑固者。

良心の塊だからお節介な時代錯誤なおじいちゃんだけど、

ちゃんと人を大切にして、周りの人に本当の優しさを与えらる。

 

そんなダニエルを見ていて

「頑張りたいけど、頑張れない立場の人」に

初めて共感をしました。

 

今までの私は「システムを回す(国や役所)側」の人間だったんだなと。

 

逆転人生を想像して

すごく残念だったのは

ダニエルの能力が活かされなかったところ。

 

お金がないからプレゼントは手作りをするダニエル。

大工だから手作り作品がとっても素敵なんです。

 

その作品を見て買い取りたい。

と買取業者に言われます。

 

すごくお金が欲しい状況なのですが、ダニエルは

思い出の品だからなのか、断るんです。

 

シングルマザー(ケイティ)の為に作った「本棚」も

さすが、大工さんだけあって立派。

 

私なら、隣に住んでるネットで転売して稼いでる

黒人の友達に頼んで売ってもらうのに。。なんて想像しながら

見ていたんですがその展開はなく残念でした。

 

 

最後に

本作を見て最初に感じたのは

フランダースの犬」的ストーリーだなと

もちろん、ダニエルが「ネロ」。

 

見ている側をなんとも言えない気持ちさせ上で

イギリスの政策悪を題材しています。

 

イギリスの「労働年金省」はあまりにも酷すぎるので

さすがに、日本でここまで酷くはならないかな、と思いますが。

 

とは言え、

先進国の行末はイギリスも日本も同じ様で

国の役目とは、弱者を助け、守るためにあるべきで

 

少なくても、真面目に「税」を納めてきた人が割りを食う様な

お粗末な制度を作る政策側が悪い。

 

そして今、賢い人が勝ち進んでいる世の中だけど

ちょっと心の中で(今の上流国民と貧困層)両者が逆転しちゃえばいいのに、、、なんて意地悪なことを思ってしまった作品でした。